世界最大のテクノロジー企業のグループが今や地球上でもっとも価値のあるデータベースのカギを握っている。
歴史的には財貨と貨幣が価値を体現する存在だった。
現代ではデータがもっとも重要な通貨だ。
データの価値を最大限にするのはそれをベースとする人工知能だ。
誰であれきわめて大規模なデータの持ち主でなければ有効な人工知能テクノロジーを持つことはできない。
現在のところそのような規模でデータを所有する企業はFacebook、Amazon、Alphabet(Google)、IBM、Microsoftなどだろう。
今日(米国時間9/28)、上述の5社は共同で発表を行い、AIにおける新たな提携を発表した。
このPartnership on AIは人工知能に関する研究及びベストプラクティスの普及を目指すという。
現実の活動して考えると、この5社の代表は頻繁にミーティングを行い人工知能の進歩を促進するための議論を交わすことになる。
またこのグループは企業の垣根を超えてコミュニケーションを図る正式な組織も結成する。
もちろんメンバー各社は日々のビジネスでは人工知能をベースにしたサービスやガジェットの開発をめぐって激しく競争しているライバル同士だ。
現在のメンバー各社は当初の財政的基盤も整備するとしている。
しかしこのパートナーシップは開かれた組織であり、将来は参加メンバーを拡大する計画だ。
科学者、エンジニアに限らず、ユーザー活動家、NPO、倫理問題の研究者その他人工知能に関連する人々が数週間後に開催予定の会議で意見を交わす予定だ。
DeepMind(現在はAlphabet傘下)の 共同ファウンダーで応用AIの責任者Mustafa Suleymanは「われわれはAIを作る側だけでなく、AIによって影響を受ける側の人々の参加を求めている」と語った。
このパートナーシップでは、企業外のグループや個人も大企業の代表と肩を並べて参加し、リーダーとなれる仕組みだ。
今日のスタート時点ではApple、Twitter、Intel、Baiduなどはメンバーに含まれていない。
AppleはAIプロジェクトに熱心だとされるが、このパートナーシップに参加したライバルに比べてAI分野で立ち遅れて気味な同社が未参加なのが目立つ結果となっている。
新組織は単なる議論ではなく、実例をもってAIの普及を図ろうとしているようだ。
パートナーシップはオープンライセンスの標準をもちいてAIプロダクトに関する研究成果を公表していく。
これにはテクノロジー面だけでなく、倫理、プライバシー、少数者の保護など広い分野が含まれる。
IBM ResearchにおけるAI倫理の研究者Francesca Rossiは「現在エンタープライズ部門がAIをコントロールしている。
社会全般がAIの利便性を利用できるようになるためには、まずAIが信頼性を確立することが必要だ」と語った。
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