〝あらゆる機器がネットにつながる〟IoT。それは決して先の話ではなく、すでに身近な家電製品で始まっていた!
◎スマホをどう活用するかが今後のIoT家電のカギ
「IoT家電がより便利なものになる、カギを握っているのがスマホです。現状は製品ごとにアプリが必要で、単にリモコンが増えたようなもの。例えばAppleが提案する『HomeKit』に対応すれば、メーカーや種類が異なっても一元管理できます。しかし、日本企業の参加はいまだないことが残念です」(林さん)
〈TREND KEYWORD〉CPS(サイバーフィジカルシステム)
IoTにより収集された膨大なデータを分析し、現実世界へフィードバックされるのがCPSの概念。IoTとともに大注目。
〈TREND KEYWORD〉IoTを支えるベンチャー企業
IoTを駆使することでこれまでにない新サービスが創造される。それを支えているのがベンチャー企業。すでに多くのIoT製品を産んでいる。
●クラウドにつながり音声でレシピを相談できる
シャープ『ヘルシオ AX-XW300』オープン価格(実勢価格約18万円)
スマホで献立を検索。決定すれば、『ヘルシオ』へ調理データをダウンロードできる。また『ヘルシオ』自体にも音声認識機能を備え、『ヘルシオ』と会話しながらメニューを決めることも可能。家族の嗜好も学習し、食材によって最適な料理も提案してくれる。
手動加熱で作った我が家のオリジナルメニューも、スマホで撮影した写真とともに登録可能だ。
●温度調節や抽出予約がスマホからできるコーヒーマシン
ネスレ『ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタi(アイ)』7389円
Bluetoothを内蔵し、専用アプリ「ネスカフェ アプリ」をダウンロードしたスマホと連動。コーヒーの濃さ、泡立ちなど自分の好みを登録すれば、自宅でも会社でも、自分好みのコーヒーを味わえる。レギュラーソリュブルコーヒー専用のコーヒーマシン。
コーヒーの濃さや泡立ちなどをアレンジできる。かなり画期的。
●外出先からでもインクの残量を確認できる
ブラザー販売『DCP-J983N』オープン価格(実勢価格約3万5000円)
専用のスマホアプリ「Brother Online ハイプリ」に対応。外出先からネットを経由し、インクカートリッジの残量を確認することも可能だ。メーカー保証1年に加え、2年間で1回使える無償修理サービスの申込みもできるなど、安心して使う工夫もされている。
インクカートリッジの残量は色ごとに表示される。買い物など外出先でインクの少ないカートリッジの有無や色がわかれば便利。
●ゴミの回収日、雨の予報を光で知らせる雑貨
au『Dust bin』6400円(写真右)『Umbrella stand』8070円(写真左)
ゴミ箱の『Dust bin』は、専用アプリをダウンロードしたスマホを手に近づくと、その日がゴミの収集日であれば下部が光る。『Umbrella stand』はやはり近づくと、その日の降水確率に応じて、オレンジ(晴れ)、白(曇り)、青(雨)と色で予報を教えてくれる。
可燃ゴミの収集日は赤、不燃ゴミは青など、収集の種類によりLEDライトも変化。
玄関に設置しておけば、出かける時に、その日の予報がわかる。
●乾電池をコントロールし、様々な機能を実現
ノバルス『MaBeee(マビー)』4980円
単3乾電池型のケースに市販の単4乾電池をセット。これで電池出力をスマホでコントロールできる。例えば乾電池で動く鉄道模型(『プラレール』など)では発車や停止、スピードアップやダウンなどもスマホでできる。操作にも7つのモードが用意されており、振ったり、傾けたり、声の大きさに応じた操作もできる。
●植物を育てることを手助けしてくれるプランター
ハンズエイド イノベ部『planty』1万9800円(税込み)
プランターに植物の苗を植え、スマホで植物の種類を選択するだけ。プランター内に仕掛けられているセンサーから、土壌湿度、室温、周辺の光量、タンクの水量を測定。アプリを通し、「水が足らない」「日照時間が足らない」などのメッセージを送ってくれる。またスマホの操作により、水やりも可能だ。
登録されている植物の種類は約700種。トマトなども育てられる。
●設定時間にカーテンを自動で開閉
ロビット『めざましカーテンmornin'』3985円
朝は目覚めが悪いという人におすすめのIoT家電。『めざましカーテンmornin'』を市販のカーテンレールに設置し、スマホで起きたい時間を設定。その時間になると、本体が動き出し、閉まっているカーテンを開けてくれる。太陽光を浴びて、目覚めを誘う。スマホから、カーテンを開閉するスピードや、動かす長さ(秒数)なども変更することができる。
開閉する時間を設定するほか、自由に開閉できるリモコンモードもある。
●足元が光る次世代シューズ
no new folk studio『Orphe』4万1482円
スマホと連動し、スニーカーのソール部が光るシューズ。ソール部には片足で約50個のLEDを内蔵。音楽を流したり、このシューズを履いて動くとライトは様々な色や明るさで光る。これら動きや音により光り方や色などをスマホ側で設定が可能。今後もアプリをアップデートさせる。
●調光、調色もスマホで思いのままのLEDライト
フィリップス ライティング『フィリップス ヒューゴー』オープン価格(実勢価格約9800円)
バッテリーを内蔵した半球型のLED照明。点灯・消灯はもちろん、色味や明るさも連動するスマホから操作ができる。本体には「キャンドル」「森林浴」など、7つの光のモードが用意されている。満充電の状態で約3時間使用可能。
明かりのイメージは全11種。スマホの画面から簡単に追加や選択が可能。
●スマホで好みの炊き方を設定できるIHジャー
三菱電機『備長炭 炭炊釜 NJ-VA107』オープン価格(実勢価格約5万6000円)
スマホと連動し、スマホへの音声操作やタッチ操作で、好みの炊き方を設定できることが大きな特徴。そのほか、米の銘柄に応じて最適な炊き方を簡単に設定することも可能だ。また、設定した炊きあがりの食感、炊きあがり時間などもいつでもどこでもスマホを通じて確認することができる。
登録されている米の銘柄は10種。今後、アップデートし、対応する銘柄が増える予定。
●家族の健康状態を管理できるマッサージチェア
ファミリーイナダ『ファミリーメディカルチェアルピナス FMC-LPN10000』
Wi-Fiモデル7900円/月×60回 LTEモデル8900円/月×60回
人工知能を搭載したマッサージチェア。しかも使用する人の血圧、体重、脈拍も手元のタブレットで管理することができる。脈拍からストレス管理を行ない、数値の変動により、タブレットを通じて最適なアドバイスをしてくれる。またネットを通じて新たなマッサージプログラムをアップデートすることも可能だ。
血圧や体重、脈拍の変動は付属されているタブレットで確認することができる。
ITジャーナリスト
林 信行さん
長年AppleやGoogleの取材に携わり、様々な業種のIT活用の分析も行なっている。