【記事】人工知能やロボットが奪う「人の仕事」、専門家らの意見

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元記事はこちら。

【AFP=時事】近い将来、ロボットはわれわれの仕事を奪うのだろうか──。

技術革新が産業やその労働力に影響を与えるようになって久しいが、近年の人工知能(AI)やロボットの進化は、高度な技能や知識を要する職種からも労働者を追いやってしまうとの懸念を生じさせている。

英オックスフォード大学(University of Oxford)が2013年にまとめた研究では、米国における700の職種のうち、自動化(オートメーション)の「大きなリスク」にさらされているのは全体の47%に上るとされた。

米コンサルティング大手マッキンゼー(McKinsey)が今年発表した研究論文でも同様の見解が示されている。ただ、「完全自動化」となるのは、全体の約5%にとどまるとされた。

また、英コンサルティング会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)による別の報告書では、2030年台初頭までに、米英独では約3分の1の職が自動化で消失するとされ、特に運輸・倉庫、製造、卸売および小売業界への影響が大きいとされた。

だが専門家らは、こうした研究について、労働人口に対するリスクの全容を把握できていないと指摘する。

ハイテク起業家でカーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)シリコンバレー(Silicon Valley)キャンパスで非常勤講師を務めるビベック・ワドワ(Vivek Wadhwa)氏は、「これらの研究は、技術(革新)の影響を過小評価している。今後10年から15年の間に、80~90%の職種が消失するだろう」と述べる。そして、人工知能は誰の予想よりもずっと急速に進化するとしながら、ドライバー不要の自動運転車は「労働の未来の象徴」と続けた。

自動化が招く、社会の悲惨な結末については、英国の著名な宇宙物理学者スティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士(75)や米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)らも警告を発している。

国立エルサレム・ヘブライ大学(Hebrew University of Jerusalem)の歴史学者ユバル・ハラリ(Yuval Harari)氏は、自著「ホモ・デウス(Homo Deus: A Brief History of Tomorrow)」で、「人はアルゴリズムにより労働市場から追い出され、富と権力はごく一部のエリートの手に集中する。そして前例のない社会・政治的不平等が生まれる」と警告している。

ハラリ氏はオックスフォード大学の研究を挙げ、自動化で消失するリスクが高い職種を推定。その確率を掲げた。その中には、現金出納係/レジ係(97%)、法律事務職員/パラリーガル(94%)、パン職人(89%)、バーテンダー(77%)などが含まれていた。

■反対意見

反対意見ももちろんある。

米ボストン大学の経済学者ジェームズ・ベッセン(James Bessen)氏は、人騒がせなこれらの予想をはねつけ、技術進歩に関しては、たとえ仕事の性質が変わったとしても、職の増加をもたらすのが普通の考え方だと反論する。

同氏は、近年のATMの普及後も銀行の出納係の雇用が減っていないこと、また19世紀の繊維工場の自動化は機織の需要増で機織関連職の増加につながったことなどを例に挙げた。

ロボットがもたらすであろう最終的な影響については、まだ未知数な部分が多い。それでも、テクノロジー業界のリーダーらは、近未来の労働市場へのインパクトに備え、その対処法を既に議論し始めている。

米マイクロソフト(Microsoft)共同創業者のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏は先月、「ロボット税」のアイデアを支持する考えを表明。ロボット税は、仏大統領選挙で社会党の候補者らが訴えているアイデアだ。

しかし、米ハーバード大学バークマンセンター(Harvard’s Berkman Center)の元フェローであるベッセン氏は、ロボットに対する課税は自動化による恩恵を停滞させるもので逆効果だと指摘する。

新技術開発を支援するXプライズ財団(X Prize Foundation)の設立者でもあるピーター・ディアマンディス(Peter Diamandis)会長は、職を失った人々に「最低所得保障」の提供を提唱する1人だ。

だが、ワドワ氏は「最低所得保障」は職がないという社会問題の解決にはならないと語る。

 ベッセン氏は、他を犠牲にして成り立ってきた高技能職の成功とその傾向をくつがえすのは「大きなチャレンジ」としながらも、それは不可能なことではないと話す。しかし、「過去20年間、物事は間違った方向に進んできたことが示されている」ことを指摘した。



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