人類の飛躍か試練か
2016/11/4付[有料会員限定]
2045年、人工知能(AI)が人知を超える「シンギュラリティー(特異点)」を
迎える。
荒唐無稽な話ではない。
人の心にまで入り込み始めたAIが社会や国家、経済を揺さぶり、歴史を変える。
人類の飛躍か試練か。世界はその日へ向けて走り出した。
建立1千年を超す中国・北京の名刹、龍泉寺でAI僧侶に出会った。
「うちの女房が怒りっぽくて困る」
「ただ一緒に生きていくだけさ。離婚はお勧めできないな」
身長60センチのロボット僧侶「賢二」が境内を動き回ると、
参観客から「癒やされる」と声が上がる。
高僧たちの膨大な説法データを解析し、人々の悩みや問いかけに答える。
人に相談するより気楽といった若者が多く訪れる。
開発を主導した僧侶、賢帆法師は
「賢二が来てから多くの人が寺と仏教に注目してくれる」と言う。
中国でまだ信徒が多くない仏教を広めるにはどうすればいいか。
悩んでいたときに思いついたのがAIだ。
心の救いを得る聖なる場にAIが入り込む。
この現実に賢帆法師は「宗教とAIは矛盾しない」と言い切る。
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