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【記事】人工知能をビジネス活用する際の“覚悟と努力”とは?

投稿日:2016-08-13 更新日:

人工知能をビジネス活用する際の“覚悟と努力”とは?
Ascii.jp 引用。(21016.8.12)

 人工知能の技術の発展に関する話題が連日メディアを賑わしています。
しかし、有効活用するためには気をつけなければならないポイントも多い。

深層学習というブレークスルー

人工知能が、あらゆる課題を解決してくれるイメージを抱いている人が多いでしょう。
そういった期待感を抱かせるような売り文句で「人工知能」を活用したサービスを提供する人や会社も増えている。
しかし、実際に人工知能をビジネスの現場で活用する場合、すべてを任せられるわけではなく、むしろ、活用する側にもそれ相応の“覚悟と努力”が必要となる。

深層学習は万能ではない

深層学習は、昨今の人工知能ブームのきっかけを作った大きな技術的ブレークスルーであることは間違いない。
しかし深層学習を有効活用できるための条件はかなり限定されており、実用できる場面は意外と少ない。
学術的に深層学習が広く知れ渡るようになったきっかけのひとつは、機械学習に関する代表的な国際会議「NIPS 2012」にて、トロント大(当時)の Geoffrey Hinton(ジェフリー・ヒントン)教授らによって発表された論文である。
この論文では、それまでの既存研究での認識精度を圧倒的に上回る成果が報告された。
 この結果が達成できた要因は、学習のために膨大な量の画像データが使われたことも大きい。
120万枚の画像とカテゴリ情報(各画像に何が写っているのかを示す正解ラベル)が活用されている。
さらに、画像というメディア自体が有する特徴にも、深層学習が有効に機能する要因がある。
以上から、深層学習が真に威力を発揮するためには、以下の条件が揃っているのが望ましい。


1. 分析(学習)の対象となるデータが膨大にある
2. データの特徴が不明確かつ大量にある
3. 豊富な計算機資源がある

さて、この条件を満たすだけのデータを分析しなければならないビジネスの場面はあるだろうか?

人工知能という技術の扱い方

人工知能によって課題が自動的に解決され、我々人間は楽をすることができるのだろうか。
 ビジネスの現場において求められる目標は、一見シンプルなものも多いが、実は複雑な要素がからみあっていることが多い。
現状、実用レベルに達している人工知能を、あえて人間にたとえてみると、下記のようになる。


 ●自分の能力でできる範囲内の仕事であればものすごい早さで完遂できる
 
●自分の能力を超える仕事は一切やらない/できない

 ●外部状況の変化への対応は苦手で、その都度詳細な指示が必要

自身の部下や同僚として考えた場合、正直、扱いが難しい部類に入るのではないだろうか。

今後、技術の発展によって、いろいろな場面で応用が効く人工知能の実現が待たれるが、少なくとも直近では人工知能の能力は限られており、そのことを人間が認識する必要がある。

ただし、特に仕事のスピードを上げるためには、もはや人工知能の活用は不可避であり、この流れに乗らないわけにはいかないのも事実である。

人工知能が人間に対して圧倒的に優位な仕事のスピード、そして無限のスタミナを賢く活用することにより、自身の仕事の付加価値を高めることができれば、当面は人工知能が生み出す新しい、そしてより人間の叡智が求められる高度な仕事に注力することができるだろう。

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